FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

投資の基礎を理解しよう

第2章では、投資に対する考え方を解説します。どこから読んでもらってもよいですが、この章に書かれていることは大切ですので一通り目を通してもらえると第4章の内容をより深く理解できると思います。第5章を読んで早く投資を始めたいかもしれませんが、投資をする前に投資家になることが大切です。つまり、投資家としての信念や軸といった考え方の柱をしっかり築くということです。

 

まず、投資を始めるにはいくつかの基礎知識が必要です。ここでは最低限の用語を解説します。

 

【リスクとリターン】

ハイリスクハイリターンという言葉を聞いたことがあると思います。ハイリスクだからちょっと怖い投資かなというイメージがあるかもしれません。リスク=危険という理解が一般的ですが、投資におけるリスクとは不確実性を意味します。具体的には、良くも悪くも変化するということです。リターンとは投資に対して得るものを指します。

 

【利回り】

投資額に対するリターンの割合を利回りと言います。例えば100万円の投資に対してリターンが5万円だとすると、5÷100=0.05=5%が利回りです。投資をする際は、基本的に利回りが高い方が投資効果が高いので良いとされます。しかし、利回りが高いというのは、リターンが大きいということでもあり、すなわちリスクも高いということも意味します。

例えば、日本国債とブラジル国債の比較してみます。国債とは国が発行する債券であり、簡単にいうと国が借金して利子を払うというものです。

日本の個人向け国債(個人変動10年)の利回りは0.05%ですが、ブラジル国債の利回りは10%近くになっています。これは日本国債の200倍です。利回りだけを見ると明らかにブラジル国債が良いわけです。

 

そんなに利回りが高いなら多くの人がブラジル国債を買ってしまうのではないかと思いますが、現実はそんなことはありません。なぜかというと、ハイリスクハイリターンであり、それなりのリスクがあるということだからです。

 

ブラジル国債を買う際のリスクとは、主にカントリーリスクと為替リスクです。まずカントリーリスクですが、国の状況によっては返済能力が大きく下がってしまう可能性があるということです。具体的には、お金を借りたけど利子を払えないかも、または借りたお金を返せないかも、ということが起こりうるということです。

 

国が借金を返せないなんてことが起こるのかと思われるかもしれませんが、過去そのようなことが起こっているのです。2001年にはアルゼンチン、2015年にはギリシャ財政破綻しています。このような財政破綻してしまうかもしれないという懸念があるのです。

 

次に為替リスクですが、ブラジルの通貨はレアルで日本の通貨は円ですので、それぞれの通貨交換率は常に変化しています。ニュースや新聞で1ドル108円とか円高・円安という言葉を聞きますが、アメリカの1ドルが日本円でいくらかというのは常に変化しています。これと同じようにブラジルの1レアルが日本円でいくらかというのも常に変化しています。

 

ブラジル国債を日本円で買うとき、1レアル=100円だったとします。1万レアル分を購入するとき100万円が必要になります。つまり、100万円を投資して1万レアル分のブラジル国債を買ったとします。その後、1レアル=80円になったとすると、80万円分の価値に下がってしまいます。これは10%という高い利回りだったとしても大きく損してしまいます。逆に、1レアル=120円になったとすると、今度は120万円分の価値に上がります。いずれにせよ、変動が大きくリスクが高いということなのです。

 

このようなリスクが高いものに投資しようと考える人はほとんどいません。しかし、ブラジル政府は国債を発行してお金を調達したいわけです。そこで、利回りを高くして、リスクは高いけど買おうかなという人を探すわけです。すると、リスクはあるけど、利回りが魅力だから買ってみようかなという人が出てきます。利回りを上げる、買う人が出てくるというバランスがとれ、結果として利回りが異常に高いものが投資対象になってくるわけです。

 

利回りという言葉を理解して、ハイリスクハイリターンという法則を踏まえ、『何に、いくら、なぜ投資するのか』という対象、金額、理由をしっかり考えてから投資することが大切です。

 

【売却益と配当】

投資のリターンには2種類あります。1つが売却益です。例えば、100万円を投資したものの価格が110万円に上がり売却したとします。すると、110万円-100万円=10万円の利益がでます。この利益が売却益です。もう1つは配当です。具体的には、利子や配当金、分配金などのことです。例えば、100万円を投資したものの配当金が5万円だった場合、この5万円が配当です。

 

【税金】

投資に対する配当や売却益には税金がかかります。具体的には20.315%となります。この内訳は、所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%です。

 

実際に投資を始めるには、証券口座を開設するのですが、その際に一般口座と特定口座があります。一般口座は、1年間の損益計算を自分で行う必要があるのに対し、特定口座は、1年間の損益計算を証券会社が行ってくれます。ですので、まずは特定口座を開設しましょう。

そして、特定口座の中でも、源泉徴収あり・なしを選択します。源泉徴収とは受け取るリターンに対して予め税金を差し引くことです。税率を20%(厳密には20.315%)とすると、1万円の配当金に対して実際に受け取る(口座に振り込まれる)金額は8千円です。

 

これに対し、源泉徴収なしを選択すると、いったん1万円を受け取り、後から税金を納めるということになります。ちなみに、私は「特定口座で源泉徴収あり」を選択していますので、源泉徴収ありを前提に進めていきます。

 

せっかく1万円の配当をもらっても、税金が引かれて手にするのは8千円になってしまうのですが、NISAの枠なら1万円をそのまま手にすることができます。ですので、NISAの枠を最大限に活用して収入を増やすようにします。