FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

1.投資プラン

第4章では、いよいよ『お小遣い投資家』を詳しく解説していきます。この章は各項目に番号を振っていまので、番号順に読んでいってください。

 

まず、『お小遣い投資家』とは何かというと、月1万円の収入を得る投資家です。月1万円というと、年間で12万円の投資による収入を得る必要があります。投資のリターンには売却益と配当がありますが、『お小遣い投資家』は、基本的に配当による収入で月1万円を実現します。売却益というのは、いわば臨時ボーナスのようなもので、たまたま売却益が出たらラッキーという程度です。

 

配当には税金がかかり源泉徴収されます(税金が予め引かれた金額が振り込まれます)。配当の税金については、総合課税と申告分離課税を選択できたり、税率が異なったりなど少々複雑です。ここでは税金の詳細や節税の方法を解説することが目的ではないので、話をシンプルにするため「投資で得たお金の2割は税金で引かれる」と考えてください。

 

つまり、年間12万円をもらうには、配当が年間15万円必要になるということです。

15万円の2割:3万円を税金として支払う
15万円の8割:12万円を配当として受け取る

 

『お小遣い投資家』の投資プランは非常にシンプルで、年間の配当総額が15万円になる銘柄の組み合わせを設計するということです。配当は、投資金額×利回りという式に基づいて計算しますので、投資金額と利回りの水準を決め、いくつかの銘柄を組み合わせることで独自の投資プランを作りあげていくのです。ですから、これが正解というものはなく、一人ひとり全く異なる投資プランになってきます。

 

もちろん1つの銘柄に絞っても構わないのですが、配当というのは企業の業績によって変化しますので、配当金が下がってしまうことも十分にあります。業績によっては無配当(配当が0円)ということもありますし、企業が倒産してしまう可能性もゼロではありません。逆に、業績が良かったり、記念配当という特別な配当が出ると配当金が上がることもあります。

 

『お小遣い投資家』は毎月1万円を安定的に得ることを目指しますので、企業の業績が変化してもなるべく1万円に近い金額を配当で得るように設計します。この意味で、複数の銘柄に分散させて投資します。具体的には、6つの銘柄に分散することが1つの目安になります。


【銘柄A】投資額60万円×利回り4.2%=年間配当額25,200円
【銘柄B】投資額60万円×利回り4.2%=年間配当額25,200円
【銘柄C】投資額60万円×利回り4.2%=年間配当額25,200円
【銘柄D】投資額60万円×利回り4.2%=年間配当額25,200円
【銘柄E】投資額60万円×利回り4.2%=年間配当額25,200円
【銘柄F】投資額60万円×利回り4.2%=年間配当額25,200円
  年間配当額:151,200

 

なぜ1つの銘柄あたり60万円かというと、調整しやすい金額だからです。銘柄ごとに価格はバラバラですから、金額を合わせやすいのが便利なのです。60万円というのは、価格が200円、300円、400円、500円など様々な数字で調整しやすいのです。例えば、A銘柄の価格が300円、B銘柄の価格が400円、C銘柄の価格が500円だったとします。そうなると、それぞれ2000株、1500株、1200株購入すれば全て60万円になります。

 

さらに、60万円というのは決して小さい金額ではありませんが、個人的にリスクがとれる許容範囲(もし全額なくなったとしても精神的・経済的に立ち直れる)という金額でもあります。リスクがとれる許容範囲は一人ひとり違いますから、30万円までという人は12個の銘柄に分散させればよいわけです。

 

また、このモデルは利回り4.2%という条件にしているのは、60万円の投資に投資に対して1回の配当による収入が1万円になるからです。年間配当額25,200円ですが、通常は中間配当と期末配当と年2回配当が出ます。半年に1回12,600円の配当が出て、税金を差し引くと10,080円となります。実際に口座に振り込まれる額が1万円になるので『お小遣い投資家』としてちょうどいいわけです。1万円が増えているのを確認できるのはちょっぴり嬉しいのです。なお、利回り4.2%として設計するのであれば、投資すべき金額は360万円になります。

 

ただ、株でも他のものでも5%を超えるものがありますので、利回りが高いものについては投資金額を下げます。逆に、利回りが低いものに投資する場合は投資金額が上がります。投資金額と利回りの組み合わせを考えながら配当合計が15万円になるように設計していきます。

 

ここで注意してほしいのは、<投資の基礎を理解しよう>のところでも書きましたが、単に利回りが高ければよいというわけではありません。利回りが高いのには何かしらの理由があります。ハイリスクハイリターンの法則があるように、リターンが高いのはリスクが高いということもあるので、利回りの高さだけで設計するのはおススメしません。必ず、なぜ利回りが高くなっているのかを理解してから投資を検討してください。