FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

投資で最も大切なこと

投資を成功させるために最も大切なことは、価値あるものを安く買うことです。あまりにシンプルで驚いたかもしれませんが、これ以外に投資を成功させる秘訣はありません。価値あるものを安く買った瞬間に投資結果は決まっているのです。投資が成功したかどうかは売ったときではなく買ったときに決まるのです。「価値とは何か?」この問いに対する自分独自の答えを探すことから投資の成功が始まります。

 

価値を考える上で大切なのは、価値と価格を混同しないことです。価値とは投資対象から生まれるお金であり、価格とは投資対象の一時的な評価です。投資家は、価格ではなく価値に着目します。少し乱暴な言い方ですが、価格は単なる評価(人気があるかないか)なので無視してもいいくらいです。日々変動する価格ではなく、投資対象の価値が変化していないかが重要なのです。価値を追求するのが投資家であり、価格を追いかけるのはトレーダーです。

 

太郎くんが車を購入したとします。その価格は200万円で、素敵なデザインと機能性がとてもお気に入りです。日々の買い物でも車を利用しますが、何といっても仲のいい花子ちゃんと週末にドライブするのがとても楽しくて、車を買って本当に良かったと思っています。

 

ところで、太郎くんは買った車が今いくらで売られているか(価格)が気になるでしょうか?きっと気にならないでしょう。気になるのは、花子ちゃんとドライブを楽しめるかどうか(価値)です。仮に、同じ車が半額の100万円で売られているとしても何も気にしないわけです。

 

太郎くんの話の続きです。太郎くんの買った車は実は最初250万円でした。でも、特別なキャンペーンとか色々な割引条件が重なり、200万円で購入することができました。太郎くんは同じ車を50万円も安く手に入れることができたのです。同じ物(価値)なら安い方(価格)がよいということです。

 

太郎くんの話のそのまた続きです。太郎くんは相変わらず花子ちゃんとドライブを楽しんでいましたが、あるとき車を譲ってほしいという人が現れました。250万円出すから是非とも売ってほしいと言うのです。色々考えた結果、太郎くんはその車を譲ることにしました。その代わり、手にした250万円で別の車を探すことにしました。

 

すると、ある店で似たような車を見つけたのですが、何と閉店セールで大特価150万円です。太郎くんはこの車を新たに150万円で買い、花子ちゃんとドライブに出かけたのでした。花子ちゃんは幸い新しい車も気に入ってくれ楽しいドライブになりました。そして、太郎くんの銀行口座残高は100万円増えることになるのです。

 

投資も基本的には太郎くんの車と同じです。価値のあるものが安くなったときに買って保持する。その後は、価値をもらい続ける。もし、価格があまりに上がってきたら、いったん手放して現金化し、また価値あるものが安くなるのを待つ。この繰り返しです。すると、確実に少しずつお金が増加していきます。

 

投資とは、ドキドキする派手なイベントではなく、のんびり続ける地味な作業です。相場(価格の変化)を観察し、動くときは動き、何もしないこともある。例えて言うならサーフィンです。自分が好きな波がくるのをじっと待ち、その波がきた時に乗り、しばらく乗って波から降りる。そして、また次の波を待つというサイクルです。波というのは予測するのは困難で、常に変化し、自分に向かって絶えず流れてきます。ゆるやかな低い波が来たらさっと乗る、やっと乗った波もあまりに高くなると危険なのでいったん降りる。もし、いい波が来なければ来るまでじっと待つしかない。

 

相場も波と同じです。様々な人が色々な思惑で参入してくるので、先が予測できません。急に上がったり下がったり、あるものだけ急激に上昇したり、相場全体がゆっくりと下降したり、海の波と同じです。投資家は無理に相場に乗り込んでいく必要はありません。そんなことをしたら海にのまれてしまうように、相場にのまれてしまいます。先が読めないわけですから、無理に入っていく必要はないのです。投資では何もしないというのも重要な選択です。

 

相場は何が起こるかわからないのですから、価格が上がるかもしれないという予測で動くと失敗しやすいのです。でも、価格が下がったという事実で動くと成功しやすいのです。つまり、予測はどこまでいっても予測で、専門家と呼ばれる人たちが上がるとか下がるとか予測していますが、まったく役に立たない情報です。だって、上がるか下がるかは誰にも分からないのですから、不安定なところを歩けば転ぶ(失敗する)のは当然です。

 

一方で、事実から動けば結果が安定してきます。価値あるものが一時的に価格を大きく下げたときは投資するチャンスです。十分に安い価格で買ったわけですから、後は保持しながら配当をもらいます。そうすると、いずれ価格が上昇してきて、大きく価格が上がったところでいったん売却します。別に売却できなくても配当をもらい続ければいいのです。焦る必要はなく、のんびりと待ち続ければいいのです。仮に、価格がもっと下がっても慌てて売る必要などありません。価値ある限り、価格がゼロになることはありませんし、一時的な下落であれば必ず時間とともに価格も戻ってきます。いずれにしても確実にお金が増えていくのです。

 

数年に1回は大きく暴落するときがあります。通常は、暴落相場というと嫌なもので皆がこぞって売るため価格が信じられないほど下がります。過去のリーマンショックや最近では新型コロナウィルスショックです。そんな中でも、投資家は特別なことをするのではなく冷静に今まで通り同じことを繰り返すだけです。暴落時は、何でもかんでも価格が大きく下がるので、価値あるものがたくさん買えるという言わばバーゲンセールになるわけですから、暴落相場は投資する絶好のタイミングです。

 

とはいえ、暴落相場で特別なことをするのではなく、いつもとやることは同じですが、色々なものを買うという点でやる回数が増えます。単に安いから買っておくとか、間違っても価値あるものを安く手放すようなことがあってはいけません。暴落相場でもやることはいつもと同じです。

 

暴落相場では投資の敵である「恐怖」という感情が現れます。「このままだと大損だぞ、明日はもっと下がるぞ」とささやきますが、ここが勝負どころです。繰り返しになりますが、投資を成功させる鍵は価値あるものを安く買うことです。逆に言うと、安いときに買えないなら成功できません。その意味で、暴落相場における「怖くて買えない」という恐怖の感情は、投資の最大の敵なのです。こういう時に、投資のプロのアドバイスとか高度な投資テクニックなど全く役に立ちません。自分の感情と向き合い、恐怖を乗り越えられるかどうかなのです。

 

この恐怖の感情がどこからくるものなのか、今の自分に何が足りないのか、そこが投資家として学ぶべき最大のポイントです。怖いと感じるのは自分の投資対象に対する信頼が欠けているからです。絶対的信頼をおけないのは、どこかに不安要素があるわけです。だとすると、心から信頼できる投資対象ではないということですから、次に投資するときには、暴落相場でも「これなら大丈夫!」という本気で信頼できるものを探さなくてはなりません。次の課題が明確になったのですから、焦らずじっくり探していけばいいのです。

 

大切なので繰り返しますが、投資とは、価値あるものを安く買い、保持しながら配当をもらう。もし価格が上がったら、いったん売却して、次にまた安くなるのを待つ。このパターンを守っていれば、配当もしくは売却により確実にお金が増えていきます。

 

投資としてやることはたった2つです。価値あるものを選ぶこと、価値あるものの価格が下がったら迷わず買うことです。極端な話、価値あるものを安く買った瞬間に投資の99%は完了しているのです。後は配当か売却かどちらからでお金が増えていくだけです。

 

ちなみに、私は投資において、さわかみファンドをつくった澤上篤人さんからたくさんのことを学ばせてもらいました。と言っても、直接お会いしたことはありませんし、直接話を聞いたわけでもなく、長期投資という概念を本から学びました。ここで書かれていることは、ある意味投資において最も重要なことであり、投資における全ての軸になる考え方です。もっと学びたい方は、澤上篤人さんの長期投資を学ばれるとよいでしょう。