FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

投資対象3つの特性

投資対象には3つの特性があります。この特性をしっかり理解することが大切です。その特性とは、収益性流動性安全性の3つです。

 

収益性とは、利回りで評価します。利回りが高ければ高く、利回りが低ければ低くなります。

流動性とは、現金化しやすいかで評価します。現金化しやすい場合は高く、現金化しにくい場合は低くなります。

安全性とは、リスクで評価します。リスクが低ければ高く、リスクが高ければ低くなります。

 

例えば、銀行預金は収益性が低く、流動性が高く、安全性が高い投資対象です。一方で、株は収益性が高く、流動性が高く、安全性が低い投資対象です。投資対象をこの3つで比較し、収益性を重視するものをどのくらいの割合にするか、安全性をどの程度確保するか、流動性のバランスをどうするかというように考えていきます。株と一括りにしましたが、収益性が低い銘柄もありますし、安全性が高い銘柄もありますので、色々な組み合わせが考えられます。

 

収益性が高いとは、例えば100万円を投資する場合、その100万円からどのくらいのリターンが生まれるかによって収益性が決まります。ただ、収益性が高いということはリターンが大きいということですから、リスクが高い、すなわち安全性が低いということになります。つまり、リターンとリスクの関係ですから、収益性と安全性は二律背反の関係になります。二律背反とは、シーソーのような関係性で一方が高ければもう一方は低くなる、一方が低ければもう一方は高くなるというものです。収益性と安全性の割合を調整することで投資対象全体のバランスが保たれてきます。

 

流動性が高い投資対象は、銀行預金や上場株式(ソニーキヤノンの株)です。銀行のATMに行けばいつでも現金化できますし、上場株式は平日の市場が開いているとき(朝9時~午後3時)にいつでも現金化(売却)することができます。もちろん、誰か買ってくれる人がいなければ売れないのですが、個人が売買する程度の金額であれば問題なく売却できます。

 

逆に、流動性が低い投資対象は、賃貸不動産や債券です。不動産(家やマンション)を売ってお金を得るまでには、その不動産を買ってくれる人を探したり、手続きするなど、非常に時間がかかります。債券は満期になるまで原則として現金化(途中解約)することはできません。

 

さらに、貯蓄型生命保険も流動性が低い金融商品です。いったん契約したら多くの場合途中解約ができません。厳密に言うと、途中解約できるのですが、その分ペナルティとして解約時に受け取る金額が大きく減ってしまうのです。

 

また、iDeCo(個人型確定拠出年金)は流動性を極めて低くする制度なのです。iDeCoは節税効果を考えた場合、非常に魅力的な制度なのですが、流動性という点も含めて利用するかどうかの判断が必要です。iDeCoを利用した場合、原則として60歳になるまで現金化できません。この制度がそもそも老後の資金確保のためにあるので、当たり前と言えば当たり前ですが、途中解約ができないのです。しかも、60歳になって晴れて現金化できるとき、たまたま景気が悪く運用資産の価格が暴落していたら、現金化したくてもできないのです。低い価格で現金化したら、せっかく今まで積み上げてきたものが一気に消し飛んでしまいます。

 

投資家にとって、流動性という特性はとても重要です。投資環境は常に変化しており、今どこに投資するのが最も効果的かということを見極めなくてはなりません。数年に1度は大きな暴落が訪れます。また、1年の中でも大きく相場が動くタイミングがあります。こういった投資の絶妙なタイミングで迅速に動くには現金が必要なのです。ですので、必要なときに現金を確保できるように流動性の高い投資対象にしておく必要があるのです。