FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

投資の判断基準(期待値)

投資家の投資判断基準として期待値という考え方があります。投資する対象がどのくらいの価値があるのかを判断する上で、期待値の発想が必要になります。例えば、あなたが1万円を使ってお金を増やしたいと考えたとき、競馬と宝くじのどちらに使う方がお得でしょうか?(この答えは後ほど分かってきます)

 

期待値というのは、確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均という定義です(Wikipediaより抜粋)。これだとちょっと分かりませんので、例えとしてサイコロを振る期待値を考えます。サイコロには1から6までの目があります。どの目が出るかは平等で、1から6までどれが出るかは同じ確率で、期待値を実際に計算してみると、

(1+2+3+4+5+6)÷6=3.5 

となります。つまり、期待値は「3.5」になるわけです。サイコロを振る回数が増えれば増えるほど、その目の数は3.5に近づいていくということになります。

 

例えば、サイコロを振って出た目のお金をもらえるというゲームがあったとします。サイコロの目が1だったら1万円、6だったら6万円もらえるとします。このとき、ゲームの参加費がいくらだったらゲームをやるべきかという判断基準が3万5千円になるわけです。つまり、参加費が3万円だったらやるべき、4万円だったらやめておくべきというのが期待値における答えです。

 

実はギャンブルにおける期待値は公表されています。支払った金額に対して期待できる還元額として、宝くじ45.7%、公営競技74.8%、サッカーくじ49.6%となっています。意外かもしれませんが、この数値は総務省から提供されています。

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出典元: http://www.soumu.go.jp/main_content/000084191.pdf

 

私はこのデータを見て驚いたのですが、宝くじの期待値は50未満なのです。これは何を意味しているかというと、毎月1万円ずつ宝くじを買った場合、年間で12万円を支払うのに対し、得られる金額は約5万5千円です。つまり、6万5千円を失うということです。期待値で考えるならば、宝くじを買うより競馬(公共競技)で使った方がよっぽど儲かる可能性が高いということです。

 

宝くじの期待値が低い理由は、宝くじの収益金の多くを公共事業や社会貢献に使っているためです。宝くじは期待値から考えると買えば買うほど損するのです。ですので、宝くじは買うに値しないと思います。

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宝くじ 収益金の使い道

www.takarakuji-official.jp

 

期待値という点から宝くじを買うのはおススメではないのですが、そもそも宝くじって当たらないのです。私は高校生のとき、数学の授業でコンピュータを使った宝くじの当選シュミレーションを行うプログラムを学びました。そこで実感したのですが、本当に当選しないのです。

 

宝くじの1等当選確率は約1000万分の1と言われています。例えばですが、1円玉は直径2センチなので1000万枚を横に一列に並べていくと200kmになります。東京駅から静岡県の浜松駅までが約200kmです。つまり、東京駅から浜松駅までの線路にずらっと1円玉が並べられ、その中のたった1枚が当たりなんです。それくらい当たらないものなのです

 

投資家にとって、どこにお金を投じるのが最も投資効果が上がるかという発想は大切です。その際、単なる勘ではなく数字を使った分析をしてみて判断するのが必要になります。日常生活においても、常に投資家目線で物事を判断するという習慣をつけましょう。