投資を始める準備

第3章では、投資を始める準備として「お金」について説明します。具体的にはお金を投資に回す考え方と方法を説明してきます。投資を始めるにはお金が必要ですが、そのお金をどう確保し、どう投資に回して資産を増やしていくのかを理解しなくてはなりません。投資を単体で考えるのではなく、お金や人生という視点から総合的に考えていくということです。

成功している投資家は、ほぼ例外なくお金に対して確固たる信念や価値観を持っています。お金を増やすのが投資ですから、投資とお金は切っても切れない関係であり、お金に無関心だったり、ずさんだったりすると投資で成功するのは難しいと思います。

例えば、世界一の投資家とされるウォーレンバフェットさんは、髪を切るためのお金30ドル（3000円ほど）について「このお金を投資に回せば大金になる」のだから今本当に髪を切ることに使うべきかと考えるそうです。世界一のお金持ちであるビルゲイツさんは、慈善基金財団を設立し数兆円規模のお金を寄付していますが、日常の買い物では割引券を使い、飛行機のファーストクラスには乗らないそうです。

一方で、年収が桁違いに高いスポーツ選手、映画やテレビのスタータレントなどはお金にずさんな方もいます。豪邸や高級車や高級時計などお金の使い方も豪快だったします。そのせいで、現役時代は相当なお金を持っていたけれど、その後借金に苦しんでいるという有名人も少なくありません。

これに反し、お金で失敗する投資家はほとんどいません。お金を上手に扱う習慣があるからです。例えば「ムダなお金は一切使わないが、価値あるものにはお金をどんどん使う」という価値観です。これは投資家として、支払うお金と得られる価値を考えるからであり、価値以上にお金を払うのはムダという発想になるからです。こういう感性は投資家としてとても重要です。

ですので、投資を始める前にお金そのものを学んでおくことが、投資の準備であり、投資を成功させる条件になってきます。投資とは直接関係ないように思うかもしれませんが、人生におけるお金との関わり合い方を学ぶことは投資をするうえで重要なポイントになってきます。