FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

株価が動く2つの理由

株価は日々上がったり、下がったりしますが、そもそもなぜ変動するのかをここでは考えてみます。他の項目と異なり、あえて「説明する」とか「解説する」という表現を使いませんでした。それは、答えを知ることが大切なのではなく、自ら「なぜだ?」と考えることが大切だからです。ですので、ここはいっしょに考えてみましょう。

 

株価が変動する理由をインターネットで調べてみると、おおむね答えとしては「買う人(需要)と売る人(供給)のバランス」に集約されます。つまり、株を買いたい人がいるから上がる、株を売りたい人がいるから下がるということです。では、なぜ買いたいのか?という疑問が残ります。

 

ちょっと別の視点から考えてみます。例えば、ある企業Aが別の企業Bを買収するということがあります。実際には企業Aが企業Bの株式の半分以上を買い取るのですが、企業Aは相当のお金を支払うわけです。そこまでして企業Bを買収するのは、結果として将来プラスになる見込みがあり、そのお金を出すだけの価値があると判断をしたわけです。ここで企業Cが横から出てきて、企業Bにはもっと価値があるので企業Aよりも高い値段で買収したいと提案したら、企業Cが買収することになりそうです。

 

このように、企業を買収することを考えてみると、株価とは企業の将来的な価値を測る基準ではないかということです。その企業の価値が高ければ株価は上がり、低ければ下がるという企業価値を示す指標ということです。そうであれば、株価が動くのは、企業価値が変化したからだということが言えそうです。

 

さらに調べていくと、企業価値とは「将来のキャッシュフローの現在価値」とか「企業価値の算定には複数の方法がある」という情報が入ってきます。また、企業価値と現在の株価を比較して株価が安ければ買うという「バリュー投資」という方法も出てきます。いずれにしても、株価と企業価値とは強い関係性があることは間違いなさそうです。

 

結論として「株価は企業価値を示し、企業価値が上がれば株価が上がる、企業価値が下がれば株価が下がる」ということが言えそうです。これが株価が動く理由の1つと考えられそうです。例えば「ある製薬会社が画期的な薬の開発に成功した」とか「あるコンピュータ会社が世界一の人工知能をつくりだした」なんてことがあれば、当然株価が上がってくるわけです。ただ、このような情報を事前に知ってて株取引するのは禁止されています(インサイダー取引)。法律で禁じているということは、逆に考えるとこの種の情報で株価は上がるという証明でもあります。

 

ここで一つの疑問が出てきます。それは、株価は毎日変化していますが、そんなに頻繁に企業価値が変化するのでしょうか?実際の株式市場では、企業価値ではない「何か」が理由で株価が動いているようです。

 

例えば、為替による株価変動です。日本の大手企業は海外で事業も展開しており、利益の計算に為替が影響します。例えば、トヨタは為替(円/米ドル)が1円動くと、営業利益が300~400億動くそうですが、昨日は円高、今日は円安という一日単位の変化が利益に直接影響するようには思えません。しかし、為替が動くと株価も動くわけです。

 

そして、ある人の一言で株価が変動します。例えば、アメリカ大統領から「米中貿易摩擦が緩和しそうだ」と思えるコメントが出ると株価は上がり、逆に「米中の緊張は長期化しそうだ」と思えるコメントが出ると株価は下がります。また、日銀総裁がお昼に発言したことで、午前中と午後の株価が大きく変わることもあります。

 

また、四半期決算(3ヶ月ごとの決算)が発表されると、株価が大きく動きます。予想に反して決算内容が良ければ株価が上がり、逆に悪いと株価が下がります。さらに、社会的影響が強い不祥事が報道されると株価は大きく下がります。

 

ここまでの結論として、株価が変動するのは、(1)企業価値の変化(2)企業価値以外の変化ということが言えそうです。投資家は 「企業価値の変化」には敏感になるべきですが、それ以外の理由で変動する株価を気にする必要があるでしょうか?株価が変動する理由と投資家として株価の変動をどう判断するのかをじっくり考えてみましょう。