FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

主機能を買って支出を減らす

ここでは「主機能」について解説します。ここでいう主機能とは、モノが持つ本来の機能(価値)です。それ以外は付随機能と呼びます。例えば、エアコンの主機能は冷房であり、暖房やその他の機能は付随機能です。エアコンの価値とは高温が引き起こす様々な不便さを解消できることです。「暑くて眠れない・・・、だるくて動けない・・・」または「熱中症になってしまう・・・」こういった不便さを解消できることがエアコンの価値であり、エアコンを買うとはこの価値を買うことです。つまり、モノを買うとはお金と価値を交換することです。

 

最近のエアコンには、従来の暖房・除湿に加えて、人の動きを感知して風の向きを変える機能、自動お掃除機能などたくさんの付随機能がついています。これらの機能がついている理由を考えたことがあるでしょうか?

 

私は消費者の便利さのためではなく、企業が売上を上げるためだと考えています。もし、エアコンが冷房のみだとすると、機能(価値)が同じであれば安い方がいいので価格競争になります。そして、新商品を開発しても目新しい機能がないので売れるかどうかわかりません。そうなると売上が確保できなくなってきますし、商品の開発製造部門を維持できません。

 

ですので、企業の維持・成長するため、消費者に高い価格で商品を継続的に買ってもらう必要が出てきます。そのためには、消費者を説得する何かが必要になります。そこで、消費者の視点で便利そうな機能をどんどん追加していくわけです。この結果、多機能・高価格の新商品が毎年登場するわけです。

 

ここで言いたいのは、多機能なエアコンを買わない方がよいということではありません。商品が持っている主機能と付随機能に分け、自分が支払うお金と得られる価値が合っているのかを考えてみるということです。

 

この視点で考えていくと、様々な商品・サービスの見方が変わります。いかに付随機能がたくさんあるかということに気づくと思います。ファーストフード店のポテトとジュースがついたセット商品、携帯電話のオプション機能、生命保険の特約、海外旅行のオプショナルツアー、グリコのおまけ、1個買ったらもう1個無料、「この商品を買った人にはダイヤモンドリングをプレゼント!」などです。

 

特に生命保険の特約は要注意です。なぜなら、いったん契約してしまうと後は自動引き落としなので、支払うお金と得られる価値を考える機会がなく、よく分からないのにお金を支払い続けることになりがちだからです。毎月のお金はたいしたことなくても、数年間、数十年間で考えるとびっくりするような金額になります。

 

あと身近な例えですが、私は髪を切るときに美容院に行きます。別におしゃれなわけでもなく、髪型にこだわりがあるわけでもありません。理由は「カットだけ」やってもらうためです。低価格の床屋でも髪を切る以外にシャンプーや髭剃りなどセット料金なので、美容院のカットだけの方が安いのです。シャンプーや髭剃りなどは家で自分でやればいいだけですし、髪を切るという主機能以外にお金を払う必要はないのです。

 

商品・サービスを買う時、主機能と付随機能について考え、本当に必要としている機能だけを買う習慣をつけましょう。そうすれば、ムダなお金を支払うこと(支払うお金>得られる価値)が大幅に減ります。

 

主機能を得られるのであれば別の方法という選択肢もあります。具体的には「買わない」「代替品」「レンタル」という選択です。そもそも、主機能を本当に必要としているかという確認をしましょう。例えば、流行りのファッションや小物は単に買ってみたい(買物そのものが目的)というだけで、本当は何を得たいのかが不明確な場合もあります。周りの友達が持っているからほしいというのは買う理由になりません。本当に必要だろうか(どんな価値を得たいのか)と考えてみましょう。

 

また、代替品(別のもの)という選択もあります。例えば、冬場の加湿器ですが、濡れたタオルを干しておくことで湿度を上げることもできます。高額の室内運動器具を買わなくても、縄跳びで運動できますし、腕立て伏せやスクワットでも運動できます。「ダイソンの掃除機がほしい!」と思うかもしれませんが、掃除するなら「ほうき」でもいいかもしれません。何を買うときも、別の何かで代用できないかを考えてみましょう。

 

そして、レンタルという選択もあります。私は図書館を頻繁に活用します。旅行に行く際、旅行後は必要なくなるのでガイドブック(るるぶ等)は必ず図書館で借りますし、週刊誌(プレジデント等)も全て図書館で読みます。一過性の商品は基本的にレンタルするのがお得ですので、何か買おうと思ったときには、レンタルという選択肢も常に考えておきましょう。