FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

投資の情報入手先

インターネットの普及により、世の中には情報があふれています。投資に関する情報も書籍や雑誌、インターネットやブログ、証券会社や投資に関する団体からのアドバイスなど、投資家としてたくさんの情報に接することになります。この情報をどう扱うかが投資家として大切なポイントになります。

 

まず、不特定多数の人に向けた公開情報には役に立つものはありません。むしろ、失敗してしまうケースさえあります。これはよく考えたら当たり前なのですが、他の人が知らないうちに情報を得て先回りして動くから成功するわけで、皆がその情報を知ったときには時すでに遅しです。例えば、投資の雑誌などで「プロがお勧めする厳選10銘柄!」なんていう特集を目にしますが、あの記事(情報)は少なくとも2か月前のものです。しかも、その記事を書いている人は、もっと前から知っている情報です。

 

投資に関する記事を書く人の視点で考えてみるとわかりますが、本当に貴重な情報を記事にはしません。記事を書くことで報酬を得ることができますが、基本的には報酬に見合った情報しか提供しません。本当に儲かる情報は他人に教えないで自ら実践して投資成果を上げるはずです。そして、投資成果があまり出なくなってきたら成功事例として「こういうことをしたら儲かりました」と情報提供するでしょう。ただ、その時点ではあまり利益は期待できません。逆に、あまり利益が期待できないから情報が公開されているわけです。つまり、本当に貴重な情報は他人から入ってこないということです。

 

さらに、頭のいい人であれば、記事を書くとき、その記事が載った雑誌が発売されるタイミングに合わせて予め「おススメ銘柄」の株を買っておきます。雑誌を見た人たちがその銘柄を買ってくるので株価が上がります。そして、株価が上がったのを見て「やっぱりおススメ銘柄は上がる!」と思った人が買い、さらに株価が上がります。十分に株価が上がった時点で、記事を書いた人はその銘柄の株を売り大きな利益を手にすることができます。

 

また、投資のプロである証券会社のアドバイスなら信用できると考えている人もいるかもしれません。しかし、結論からいうと話半分に聞いておく程度で十分です。というのは、これも証券会社でアドバイスをする人の視点で考えればわかりますが、親切にアドバイスするのは、それが仕事だからです。まず、有益な情報を投資家に提供し信頼関係を築く、その上で金融商品を紹介し買ってもらう、それで会社から評価されボーナスが増える、という極めて普通に仕事をしているわけです。逆に言うと、ボーナスを増やすため、金融商品を売るのに、信頼関係を築けるための情報提供する、ということです。

 

ですので、情報提供だけはしっかり受けておくのがよいと思います。業界の人しか知らないことや色々と勉強になることを教えてくれます。ただ、アドバイスに従って投資する(おススメ商品を購入する)のは別の話です。この意味で、話半分に聞いておくのがベストです。

 

証券会社は基本的に投資家が儲かっても、損しても、儲かります。なぜなら手数料などの収入が入るからです。なので、証券会社としては手数料がしっかり取れることが大切であり、投資家がその後儲かるか、損するかはあまり関心がありません。つまり、極端ですが、あなたが儲かるではなくあなたから儲けるための提案なのです。

 

実際、私は一度ある証券会社から金融商品のおススメ提案を受けたことがあります。その際に薦められたのは、ラップ口座とバイオテクノロジー分野の投資信託です。簡単に説明すると、前者は口座料を支払う代わりに総合的な運用管理、後者は販売手数料が3%(税抜き)の新商品です。どちらも手数料のオンパレードで、私の状況や方針を聞くことなく熱心に商品の説明をしてくれました。これは私の推測ですが上司からこの2つを提案するように言われてきたんだろうなと思いました。ちなみに、両方とも丁寧にお断りしました。

 

あとインターネットやブログの情報です。いつの時代も「儲け話」に関わるトラブルが多く発生しています。「1日5分で100万円ゲット!」「スマホさえあれば簡単に100万円!」といった勧誘メールや誘導ページが多く出ています。こういったものに手を出してトラブルになるケースが多くあるようです。

 

そもそもですが、「なぜ、赤の他人である私にそんないい話がくるの?」という疑問を持つことが大切です。寂しい話ですが、人は赤の他人のためにがんばったりしません。ボランティアや寄付などをする人はいますが、あれば1個人の利益のためにやるのではなく、支援を必要としている組織やグループに対するものです。富裕層は多額の寄付をしますが、単に儲けたいと考えている個人に対して支援はしないと思います。

 

そして、特に庶民には儲かる話はやってこないということです。もし、あなたが本当に儲かる確実な話があったとしたらどうしますか?私だったら富裕層に提案してお金を出してもらいます。本当に確実な情報であれば、富裕層が多額の資金を投入し、莫大な利益を得ることができ、その一部を情報提供料としてもらえるからです。資金力という点から考えて、自分のお金を投じて得る利益より、情報提供料の方がはるかに大きくなるでしょう。この点で考えると、富裕層には本当の儲かる貴重な情報が集まってくるのかもしれません。でも、同じ情報は一般庶民には絶対に回ってこないのです。

 

このブログを読まれている方も、ここで書かれていることを鵜呑みにせず、「なぜこういうことを書いているのだろうか」とか「本当に信じられる情報なのだろうか」と疑ってみてほしいのです。つまり、情報を発信している人が、情報を発信することによってどんなメリットがあるのかを考えてみるということです。

 

結論として、投資家にとって本当に大切な情報は外部から入ってこないということです。

 

情報は、事実、意見、法則に分かれます。まず事実というのは、例えば「〇〇会社の株が昨日〇〇円下がった」という出来事です。そして、意見というのは「〇〇会社はこれから成長するので株価が上がる」という見解や予想です。最後に、法則というのは「円安になると株価が上がる」「決算報告が悪いと株価が下がる」というようなものです。

 

意見はいったん横に置いておいて、事実と法則を組み合わせた上で、自ら調査し、考え、さらに考え、投資の方針を立てて、少額で実験的に投資してみる。そして、その結果を踏まえて、更に調査し、考え、もっと考え、新たな方針を立て投資する。こういったことを繰り返しながら自分の独自の投資スタイルを確立していくことが大切です。投資に必要な情報は自分の頭の中にあるのです。自らの頭で考え抜いていく先に貴重な情報へたどり着きます。

 

投資の格言に『人の行く裏に道あり花の山』というものがあります。投資で成功するには人と違う道を行きなさいということです。『赤信号みんなで渡れば怖くない』という言葉がありますが、日本人は皆と同じことをやるのが好きで、一人孤独に人と逆のことをやるのは苦手だと思います。だからこそ、成功するチャンスがあるのです。こういう意味でも、たとえ人から笑われても、バカにされても、自分が信じた道を行く人こそ投資で成功するのだと思います。

 

自分で考えたことがうまくいかないこともあります。でも、そのときに何が悪かったのか原因を考え、改善し、次に活かすということを繰り返していけば必ず投資家としての技術が上がってきます。ですので、最初から大きなお金を投資するのではなく、少しずつ実験をする感覚で自分の投資スタイルを確立していけばいいのです。