FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

投資家は2人いる

投資家には大きく分けて2種類に分類されます。1つは機関投資家、もう1つは個人投資家です。機関投資家とは、他人から預かったお金を仕事として投資する人(または団体)です。個人投資家とは、自分のお金を自由に投資する人です。この2つの投資家の特徴をしっかり理解し、個人投資家のメリットを最大限に活かすことが大切です。

 

まず、機関投資家の特徴ですが、個人投資家と比較して、扱う資金が桁違いに大きい、持っている知識や情報が格段に多い、他人から評価される、投資に制約が入る、という点です。まず、扱う金額が億単位、投資に関する知識や経験、そして世界の金融市場や企業の情報量は圧倒的でしょう。この点で、ほとんどの個人投資家機関投資家に対抗することは難しいです。

 

ただ、一方で他人から評価される、運用に制約が入るという点において個人投資家と大きく異なります。この違いが非常に重要なポイントになります。機関投資家は、仕事として投資をしており、その成果が問われます。当然ですが、運用成績が良い場合はプラスの評価になり、悪い場合はマイナスの評価になります。ですから、ある期間における運用成績をいかに良くするかということが機関投資家の目標になるわけです。

 

そして、機関投資家は好きなように運用できるかというと、そうもいきません。例えば、不祥事を起こして社会的な信用を落とした企業には投資しずらいでしょうし、「今は株価が低いけど、数年先には間違いなく上がる」という理由でも投資しずらいでしょう。また、最近はESG投資と言われる社会環境を意識した企業が注目されていますので、社会的環境にそぐわない企業は投資対象から外れることもあるでしょう。つまり、自分の好きなように投資することはできないという制約が入るわけです。

 

一方、個人投資家の目標は機関投資家と同じく運用成績をよくすることなのでしょうか。私は、大切なお金を増やしていくこと(絶対に減らさないこと)個人投資家の目標だと思います。そして、投資に対する制約は入りませんので、自由に投資をしてけばよいのです。

 

どうもこの点が混同されているように思うのです。というのは、機関投資家個人投資家では投資の目標が異なるはずなのに個人投資家の投資方法が機関投資家と同じになっているということです。機関投資家は、投資の運用成績を高めるために様々な手法やテクニックを駆使します。素人には理解できないような高度で難解なものもあるでしょう。最近ではコンピュータが自動的に超高速で売買するシステムもあるそうです。

 

そのような投資方法を「これこそプロの運用だ!」と個人投資家が思い、プロの運用テクニックをマスターして、少しでも近づこうと努力しているのなら、それは大きな間違いだと思うのです。例えば、機関投資家は3月末時点での投資の時価総額がいくらかが重要でしょうが、個人投資家にとって重要なのは、翌日には変化してしまう時価総額ではなく、投資した資産からお金がちゃんと生まれているかということだと思います。目標が異なるのであれば、当然投資のやり方も異なるはずです。

 

そもそも、個人投資家機関投資家と同じ土俵で勝負する必要はないのです。例えば、水泳で言えばクロールと平泳ぎ、柔道で言えば重量級と軽量級のように違う領域だと思うのです。どちらが良いとか悪いとかではなく、それぞれの領域で投資をすればいいのです。

 

個人投資家は、長期的な視点で自由に投資すればいいのです。毎日画面にかじりついて株価を追っかける必要はないですし、株価が下がっても慌てることはありません。投資しているのを忘れてしまうくらいでもいいんです。ときには、何もしないということがあってもいいのです。