FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

節約の盲点

節約は多くの人が関心を持つテーマです。
SNSにより個人が情報発信できる時代ですので、様々な節約術を知ることができます。
先日テレビでも節約術が紹介されていました。


例えば、5年間で1000万円を貯める(節約する)方法などです。
5年間で1000万円となると月あたり17万円ほどを貯めるわけですから、難易度はかなり高いです。
基本的な節約方針はムダなものを買わないということで、とても共感できます。


しかし、節約することで起こる副作用が見落とされているように思えてなりません。


というのは、例えば食費の節約についてですが、
・週1回の買い物でやりくりする
・広告の品(割引品)をねらう
・数日分つくり置きしておく
といった方法が節約として紹介されます。
でも、食事というのは安さだけを追求するものではない、と思うのです。

 

食べたものは身体の一部となり、健康な身体には栄養が大切です。
特に成長期の子どもがいる家庭では、健全な成長が第一になるはずです。
実際、プロのアスリートには専門の栄養士がついて食事指導をします。
そこまでしなくてもいいですが、食事と身体はとても密接に関係しています。


我が家では多少高くても、栄養や健康といった視点から食品を選びます。
もちろん、味のいい高級食材を選ぶということではなく、あくまで身体に良いかどうかという基準です。
具体的には、食材だけでなく調味料や加工食品も含めて、
添加物の入っていないもの、国産のもの、新鮮なもの、日々の栄養バランスといった点を重視します。
その上で節約するという順番にしています。


例えば、株主優待でもらえる「おこめ券」を近所のスーパーで会計の際につかえば、多少高い食材を選んでも結果として安く買えることになります。
また、ふるさと納税で新鮮な無農薬野菜を実質無料でもらうこともできます。
さらに、ポイントやクーポンなどを使って出費を抑えることもできます。


節約を始めるには、物の価格からではなく、物の価値から考えてみるべきです。
つまり、同じ価値なら徹底的に安い方がいいですが、価値が異なる場合はまず価値を測ることです。
そして、価値に合った価格なら購入を決めるという流れです。


先日、扇風機を買いに大手家電量販店に行きました。
最近の主流はDC扇風機で、従来のAC扇風機と比べて電気代がお得なのだそうです。
ただ、同じようなDC扇風機でも5千円から3万円くらいまで価格に幅がありました。
そこで店員に聞いてみると、何と「機能はほぼ同じ、高いのは日本メーカーのブランドだからです」とのことでした。


この店員は正直だ!と思い、そこから色々この店員に質問をして、最終的に2つの機能を重視することにしました。

1.羽根の数が多いこと・・・自然の風に近い心地よさ(風が肌に直接当たっても違和感がない)
2.風量設定が細かいこと・・・うちわで仰ぐような微風から一気に部屋の空気を循環する強風まで使い分けられる

この2点に「価値」を感じたわけで、これらの条件に合う商品に絞り込みました。
そして、その中で「価格」の最も安いものを選びました。
さらに、会計の際は、株主優待券と商品券、そしてポイント獲得により、9000円近くの価格に対して、出費は300円ほどに抑えることができました。

 

商品代金(支払総額)が税込み8778円ですので、そのまま現金で支払えば財布から8778円が出ていくわけです。
でも、以下3つの活用により、財布から出ていったのは315円です。
①3000円・・・家電量販店の株主優待券(500円×6枚)
②5000円・・・ホテル宿泊特典ギフトカード1000円×5枚
③463円・・・ポイント還元

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ちなみに、この家電量販店で売られていた一番安い扇風機は2980円でした。安い価格を追求するなら2980円でもいいのかもしれませんが、価格の前に価値を考え、自分が手にしたい価値を最も安い価格で手に入れることが節約です。

 

節約するのはいいことですが、価格(安さ)の追求に焦点が当たると価値(モノを買う目的)という大切な点が見落とされないように注意が必要です。

 

あと、節約術を紹介するテレビ番組を見て感じたのですが、節約に走る妻、そして夫と子供に「温度差」を感じました。節約するには、家族の協力が必要です。そのため、家族内で節約ルールを決めていくわけです。例えば、〇〇は買わないとか〇〇はしないとか、欲求を抑制する決まりごとが増えていきます。節約を主導する妻はそれで満足でしょうが、夫と子供はその節約ルールに窮屈さを感じているのではないでしょうか。

 

もちろん、これはテレビ番組を見ただけの推測ですが、節約をするには家族の気持ちを理解しておくことが大切だと痛感しました。節約の目的は貯蓄額を増やすこと、貯蓄額を増やす目的は家族が楽しい時間を過ごすことです。節約はあくまで手段であり、その先にある目的、すなわち家族が楽しい時間を過ごすということが実現できなければ本末転倒です。

 

節約をする際には「モノの価値」そして「家族の意向」を考えておきましょう。