FPわかし’s blog

目指せ!お小遣い投資家

老齢年金のこと その1

年金が十分でないため、お金に関して将来が不安という人は非常に多いのではないでしょうか。この不安を解消するのに必要なのはお金ではなく知識です。いくらお金があっても不安は解消できません。不安とは「わからないという心の状態」なので、不安を解消するには将来のお金について知ること(わかること)が必要なのです。

 

まずは、年金の基本的なところから説明します。年金というのは老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の3種類あります。この中で老後にもらう年金は老齢基礎年金になります。そして、障害の状態になった際に給付されるのが障害基礎年金、年金対象者に何かあったときに遺族に給付されるのが遺族基礎年金です。

 

ここでは60才以降も元気に生活しているという前提で老齢基礎年金について説明しますが、もし障害になったときや遺族に対しての保障も年金に含まれていることは覚えておきましょう。ただ、保障については制度が見直しされる場合もありますので、必要になったときに最新情報の確認が必要です。

 

まず、老齢基礎年金がいくらもらえるのかという点です。老齢年金の計算方法は決まっています(日本年金機構のホームページより)

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20才から60才までの40年間(480月)年金保険料を収めていれば、65才から満額「781,700円」(月額約6万5千円)をもらうことができます。そして、年金に対しては税金※が引かれませんので、そのままもらえます(銀行口座へ振込まれます)
基礎控除38万円、公的年金控除70万円あるので108万円までは所得税を払う必要がありません(2020年3月時点)

 

また、会社に勤めている方の場合は、老齢厚生年金が老齢基礎年金に加算されます。厚生年金を納めている配偶者は「第3号被保険者」※として年金を納めていることになります。ただし、年間収入130万円未満であることが条件となります。老齢基礎年金と老齢厚生年金の合算がもらえる年金額となります。
※厚生年金加入者は第2号、第2と第3号以外は第1号(自営業者など)となります

 

具体的な年金支給額は「ねんきん定期便」に記載されているので、この中身は必ず確認しておきましょう。今までに収めた年金記録、現時点で将来もらえる年金額が記載されています。「ねんきん定期便」は毎年誕生月を目安にハガキで届き、35才45才59才のときには封書で詳細な案内が届きます。

 

老齢基礎年金では、繰上げ受給繰下げ受給ができます。繰上げ受給とは65才よりも早くもらうこと、繰下げ受給とは65才よりも遅くもらうことです。どちらかを選択することでもらえる年金額が変わってきます。

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繰上げ受給する場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を一緒に繰上げしなくてはなりません。繰下げ受給する場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の一方だけ繰下げできます。なお、「繰上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません」(日本年金機構のホームページより抜粋)ということなので、繰上げの選択は慎重に行いましょう。

 

また、年金支給額を増やす方法として「付加年金」※という制度があります。月額400円を納付すると「付加年金納付月数×200円」が老齢基礎年金に増額されます。
※付加年金は第1号被保険者だけの制度です